目次
離島の進学事情と受験の知識がゼロの母
私は地方出身、それも小さな島の出身です。離島なので 私立中学など聞いたことがなく、高校ですら選択肢のないほどの田舎でした。
なにせ、島内で一番頭のいい公立高校の偏差値が38~40です。島外へ出ない限りどんな秀才でもこの高校しか選択肢がないのです。
島内の中学生の数は限られているので、受験勉強などしなくても合格します。
そんなんですから、 田舎では偏差値には何の意味もありませんでした。気にしたこともありません。
そんな公立高校から、大学へ進学する子どもが3割くらい。偏差値38の高校ですが偏差値60以上の国立大に合格とか普通にありえます。
いまでは、地方ならではの現象だとわかりますが、進学を希望して、勉強すればその辺の高校からでも行きたい大学に受かるんだろうな。くらいに思っていました。
離島なので現金収入は少なく、出生率が高いので子供の数が多い。そのうえ、島に大学はない。進学するとなったら、学費以外に一人暮らしの費用も仕送りしなくてはならないのです。
うちも兄弟が多かったので、「全員大学は無理。女の子は高校でたら就職」と言われて育ちました。結局、都会に住んでいる親戚からの強い勧めがあったので、奨学金もらって進学しましたが、ぎりぎりまで高卒で就職の予定でした。
受験を意識したことがないので、受験に対する知識ゼロです。
今でも、島の高校から4年制大学への進学率は30%くらいです。離島から大学進学は、経済的にも、勉強の環境としても相当厳しいです。進学塾や予備校とか無いんですから。都会と離島では教育格差がスゴイんです。
そういうわけで、受験の知識がまったくないワタクシ。読書好きに育てようとか、学習習慣をつけようとか、家庭学習や子育てに関しては試行錯誤していましたが、長女が小4になるまで中学受験について真剣に考えたことがありませんでした。
【歴史・ことわざ・時事問題】どの教科にも使える最強の暗記ツールを作ってしまった【受験】【小4秋】母、ついに首都圏の進学事情に気がつく
小4あたりから、中学受験の話をぽつぽつ聞いていましたよ。受験向けの塾に行く子もいましたしね。でも、うちは中学受験をしないから関係ないと思ってました。
娘が小学校4年生の秋。お友達に誘われて私立中学の理科実験教室に参加しました。そこで、子どもたちが実験中に保護者説明会がありました。
母、驚愕ですよ!都会ってスゴイ!私立っていいね!
遅いですね。はい。重々わかってます。気づくのが遅いです。
だって、学校の選択肢が無い世界で生きてたんですもの。ワタクシ。
中学だって高校だって選択肢なんかなかった。おそらく島の子供たちは今もそう。
都会の子供はこんなにも選択肢があるのか。羨ましい限りだなとしみじみ思いました。
中学受験の費用について調べる
選択肢があるのなら、調べもせずに最初から道を閉ざすなんてありえません。
私立中学いいんじゃない?受験って難しいの?費用は?って猛烈な勢いで調べました。
ふむふむ。中学受験の塾に入らなきゃ無理なのね。
ふむふむ。塾代は年間で小5で60万。小6だと年間130万くらいだと・・・
ふむふむ。私立中学の学費が3年間で400万円と・・・
おや。私立中学にいったら自動的に高校も私立だ。プラス400万と・・・
そして大学。
で、これを二人分。
Σ(゚д゚lll)
想像以上に、中学受験って相当費用がかかる。
無理!!いや無理じゃね?
一般家庭で出せる金額なの?コレ。
ファイナンシャルプランナーと相談
素人が考えてもラチがあきません。プロを呼びましょう。プロを。って、ファイナンシャルプランナーに、相談しました。
保険会社のファイナンシャルプランナーさんが私立中学へ行かせた場合のプランを作ってくれましたよ。無料で。無料って素敵。
むかーしむかし、子どもが生まれてすぐの頃。
学資保険を組むためにプランニングしてもらった時にですね、あほのワタクシ、子どもの教育プランをすべて公立中→公立高校→国立大学で計算してもらっていたのですよ!
国立大学は難易度がそれほど高くない、普通のルートだと思ってたんですもの。
何様~!確実に受かると思ってんの~!って今なら思います。
偏差値とかの概念もあんまりなかったもので。入りたいところに頑張れば入れるくらいのイメージで。ね。無知って怖いわ。
私立中高一貫校→私立大学で再計算をお願いしましたよ。ついでに公立高校→私立大学のパターンもね。
結果、二人とも私立中学でもなんとかなりそう。でも余裕はない。
できれば、子ども二人のうち一人は公立中学校→高校にしてもらえると助かる。というのが正直なところ。
公立中高一貫校ってどうなの
我が家から一番通学の便がいいのは公立の中高一貫校。公立なら費用も安い。
公立中高一貫校は、塾にいかずに合格する子もいる。と聞いていて、「公立ならいいかも~。ダメもとで受けてみる?」と思ってた時期がありました。
無知でした。
娘と一緒に学校の文化祭にも学校説明会にも行き
過去問を解いたり、実際に受験した子の親から話を聞いたり
公立中高一貫校むけの公開テストを受け、塾の説明会もあちこち行きました。
過去問も何年分か解いて、参考書も買いました。
あくまで私個人の感想ですが、公立小学校で上位の成績でも相当訓練をつまないと無理です。ふつうの親が受検にむけてスケジュールを組んで教えるのは大変。
塾ナシで合格した経験談も読みましたが、ごく一部の本当に優秀な親と子じゃないと無理です。親の熱量がものすごいですもん。
うちは、平凡な親に普通の子供なので。
実際に過去問を解いてみるとわかります。計算などは公立小学校で習う以上のものは出ないですが、やたら桁数が多い、ボリュームがある。国語なのか理科なのか社会なのかわからないほど、文章量が多い。
塾の合格結果を見ても公立中高だけを受験している子供より、私立中学受験のコースで勉強していて、私立も公立も受けている子のほうが受かっている印象。
計算なども含めた圧倒的な演習量の差を感じます。
公立中高向けの塾は、週1くらいですが、季節の講習やテスト代、教材あわせて塾費用に年間50万くらいかかります。
適性検査の問題は独特で難易度も年々あがっていて、学校の倍率は異常に高い。相当演習をつまないと合格は難しそう。
そして、滑り止めもなく、公立一本で受験というのは、ダメ絶対。
適性検査タイプの試験をやっている私立中学を本命の前に受験したり、本命に落ちて公立中学に進むでも、せめて1か所でも受かったんだという気持ちの落としどころも必要。
そのうえ、勉強をさせるためには、地元の中学よりも、受験して入る学校のほうが良い学校と子供に信じさせなくてはいけない。
良い学校があると信じて頑張ったなら、本命に落ちても滑り止めで合格した学校に入りたくなっちゃうよね。相当頑張って勉強してきたら、そうなるよね。
でも、それで滑り止めの私立に行くなら、最初から私立中学受験コースのほうが、選択肢も増えて、いい学校に入れるんじゃないの?とか思ってしまいます。
結論。公立中高一貫校だけを受験するのはギャンブルのようなものだと感じました。私立受験のほうがよっぽど対策が立てやすそう。
長女、私立中学受験をするの?
結局のところ、どうしよう。
経済的に余裕があるわけではない。
絶対に通わせたいという学校もまだ見つかってない。
気づいたら娘はすでに小5になった。学校では勉強ができるほうでも、中学受験となると、この時期から追いつくには相当な努力が必要だろう。
娘にメリットもデメリットも隠さず説明しました。私立中学という選択肢があること。きれいな校舎、かわいい制服、レベルの高い授業、大学受験に向けたカリキュラム。塾に通うと友達とあまり遊べなくなること、習い事をやめなくてはならないこと。合格したら通学に時間がかかること、などなど。
娘の希望は「習い事はやめたくない。そして、いまの友達がとっても好きだから、地元の中学に一緒に通いたい!」でした。
念のため、弟は中学受験をするかもしれないが、あなたは公立中学で良いのかどうか再確認。あとで弟だけずるいってならないように。
結果
中学受験のことを調べ始めてから1年程、右往左往していましたが、長女は私立中学も公立も受験しないことに決めました。
ただ、母がもっと早く中学受験を視野にいれていれば、絶対私立に通わせるという決意があれば、娘を受験に誘導することはできたと思っています。
小4で塾に入れていれば、周りに流されて中学受験の道へ進んだでしょう。
文化祭や説明会でちょろっと学校を見せただけで、絶対この学校に行きたいと思うわけありません。親の熱意とか興奮とか何かしらあると思うんですよね。
経済的なことも気がかりでしたし、何より親の覚悟がないと中学受験には突き進めませんでした。
長女には、公立中学で楽しく過ごし、高校でトップ校を目指してほしいなと思います。
おすすめ記事